あいち国際女性映画祭2014は
9月7日に5日間の会期を終え終了しました
9月7日に5日間の会期を終え終了しました
©2014「小さいおうち」製作委員会
直木賞を受賞した中島京子の同名小説を映画化。ある日、健史は大伯母タキが若き日につづった自叙伝を見つける。昭和11年、田舎から出て、小さくモダンな屋敷のお手伝いさんとして働いていたタキ。自叙伝には、屋敷の主人の妻・時子の秘密の恋愛模様が描かれていた…。その秘めた恋を見守るタキの姿をミステリアスに描いた山田洋次監督最新作。
寅さんの妹さくらが、会社経営者と結婚せずに、印刷工の妻になったとき、『男はつらいよ』は、東京の「地方」ともいうべき葛飾柴又に定住する「家族」の物語として成立した。さくらは「とらや」の大黒柱の役割を果たし続けるが、本当に自立した女性であるのかどうか。山田洋次は近作で昭和の女性を描きつづけている。『小さいおうち』のタキ(黒木華・倍賞千恵子)を、女性の生き方としてどのように位置づけたらいいのだろう。
プロフィール
三重県出身。早稲田大学教育学部国文科卒業後、高校教員を経て、大学教授となる。映画評論家として数々の著書を出版、国内外の映画史を研究し、山田洋次が中心的テーマ。『山田洋次と寅さんの世界』(大月書店)ほか。