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9月5日 「赤い点」 主演の猪俣ユキさんと園木美夜子プロデューサーのゲストトーク

2009/09/06

この作品は、宮山監督がミュンヘンテレビ映画大学の卒業制作で、ドイツ映画新人奨励賞2008(撮影・音楽・編集)、2008バイエルン映画賞新人プロデューサー部門を受賞。ドイツの現地紙では主演の猪俣ユキさんの好演が、「圧倒的な存在感を持つ」と絶賛されています。作品上映後のゲストトークには主演の猪俣ユキさんと園木美夜子プロデューサーが参加し、観客からも多くの質問が寄せられました。

Q この作品の経緯について教えてください。
園木さん 宮山監督は世界でも指折りの映画学校に日本人では初めて入学し、10年勉強した後、卒業制作としてこの作品を撮りました。制作費用については、ドイツでは資金が集まったのですが、商業映画ではないため日本側では資金集めに苦労しました。また、この話は実話からインスパイアされてできたものであり、映画の中で話題になる事故も実際に起こったものなのです。

Q 主役の小野寺亜紀役に猪俣さんを選んだ理由は?
園木さん 宮山監督は目力が強くてボーイッシュで芯が強い女の子を探していました。インターネットで猪俣さんの写真を見て直接会うことになり、そこで即決したようです。

Q この仕事の話が来たとき、猪俣さんはどう思われましたか?
猪俣さん 卒業制作と聞いて、最初は自分の中に冒険と不安が入り混じっていました。しかし、脚本が商業用の作品と違って、静かで心が動かされるものがあったので、とても興味がわきました。

Q ときどき荒れたような画面があり、そこがまた美しいと感じたのですが、それは意図的ですか?
園木さん 宮山監督は16mmフィルムを使うことにこだわっていました。フィルムには独特の雰囲気があるので、ある意味で意図的と言えるかもしれません。
猪俣さん 実はフィルムが、現像の過程で紛失してしまった部分があって、そこのデータをデジタルに吸い取って、それをまたフィルムに直す作業がおこなわれたので、少し画像が荒くなってしまった部分があるんです。

Q 猪俣さんは俳優業以外にも脚本、監督業を行っておられますが、映画をつくるのと、演じる楽しさの違いはありますか?
猪俣さん 私は演じるほうから始まり、もっといろんなことを経験したくなって脚本を書いて役者仲間とデジカメで撮ったり、フィルムでショートを作って長編にも挑戦しました。演じることと映画を制作する楽しさの差についてはわかりませんが、どうバランスをとるかということにずっと考えていました。しかし、ドイツでは役者も映画を制作したり、監督も演技の勉強をしたりしていて、バランスを考えなくてもいいのではないかと、この映画に参加して学びました。

Q 宮山監督の印象、今後の活動への期待は何かありますか?
猪俣さん 宮山監督と過ごして私が感じた印象は、宮山監督はもっとも強くて美しい、スーパーウーマンみたいな女性だな、ということでした。自分と真逆だったり同じだったりすることもあり、学ぶことがいっぱいあります。
園木さん 宮山監督は次回の作品について、ドイツ人が日本に来て異文化を感じるものを表現しようとしています。今はドイツを拠点に活動していますが、今後もますますボーダレスに活動していくことと思います。

Q 最後に何か一言お願いします。
園木さん 他の国との合作作品には、ことばの壁や乗り越えなければならないことはありますが、いろんな文化が集まると100%以上の力が出てきます。私は、今、香港、アメリカと合作作品を制作しています。今後はアジアの合作の輪を広げながらみんなに楽しんでもらう力になりたいです。
猪俣さん 今回の映画を見て、商業用の映画だけではなく、静かな映画のよさもわかってもらえればうれしいです。みなさんにはぜひ映画館に行って作品を見てもらって、映画のさらなる発展に協力していただきたいです。

(河口)