ディーパ・メータ監督・宮崎信恵監督から、受賞のメッセージをいただきました。
ディーパ・メータ監督受賞メッセージ:
女性の権利を掲げるこのようなすばらしい映画祭で、『とらわれの水』が認められたのは大変名誉なことで、観客の皆様によって選ばれる「観客賞」を受賞できとても感動しております。各々のテーマの活発な議論の場を求めている他の映画制作者にも、この映画祭を大いにおすすめすることといたします。
宮崎信恵監督受賞メッセージ:
「まさか!?あの地味なドキュメンタリーが・・」 交流パーティの席上、愛知県興行協会賞に『あした天気になる?』との司会者の声が耳に届いたとき、一番驚いたのは監督である私自身だったと思います。素晴らしい力のこもった作品が多く参加された中で、『あした天気になる?』が愛知県興行協会賞をいただくとは想定外のことでした。それだけに、喜びも大きく、咄嗟にはどんな言葉で嬉しさを表していいのかわかりませんでした。映画は発達障がいのある人たちの日常にカメラを据えたものですが、登場人物たちの素敵な素顔が、そして、一所懸命に生きている姿が、何よりも観客の皆さんの心を捉えたのだと思います。
『あした天気になる?』は、プライバシーの問題などで決してスムーズに完成にこぎつけたわけではありません。保護者の方々や関係者たちが、それぞれに不安や戸惑いを感じつつ、内面との激しい葛藤を経て、完成した映画です。そしてその根底には、全国の発達障がいの子どもをもつ親たちへ、そして、地域に暮すすべての人々に熱い連帯のエールを送りたいとの思いがこめられていました。今回の受賞は、そうした保護者の方々の思いが映画を見てくださった観客の皆さんに届いたということでもあるのでしょう。私はこの嬉しい受賞を、勇気をもって映画製作に協力してくださった主人公たちはもちろんのこと、保護者や関係の方々に真っ先に知らせたいと、早速、報告のメールを入れました。帰ってきた返事の一つには、「今回の受賞が、発達障がいをもつ人たちへの未来への希望につながると思います」とありました。3年前の『無名の人』の観客賞に続いて、こんなに素晴らしい賞をいただけましたこと、本当にありがとうございました。